『SOUL RED 松田優作』 観てきました!
ドキュメンタリー映画としては、とても良い出来栄えだったと思います。
松田優作の映像とゲストのインタビューが交互に現れるという構成でしたが、特に『ブラック・レイン』で共演したアンディ・ガルシアさんのインタビューが良かったです。
ガルシアさん曰く、当初の予定では優作の出番はそんなに多くなかったのですが、撮影を進めるうちに、優作の演技力のあまりの凄さに、もう、優作の出番を増やさざるを得なくなったのだそうです。
たしかに、あの狂気を感じさせる迫真の演技には、日本のファンはみんな圧倒されました。
でも、それ以前に、映画の本場ハリウッドのスターたちをも圧倒していたとは…。
改めて松田優作の偉大さを知りました。
代表作品の映像も、やはりスクリーンで観ると迫力が違いますね。
優作の絶頂期だった70年代、私は未だ一人で好き勝手に映画を観にいける年ではなかったので、あの頃の代表作品のほとんどを、私は劇場では観たことがなかったのです。
そのほか、『太陽にほえろ!』など、TVドラマだった作品をスクリーンの大画面で観られたことも非常に嬉しかったです。
でも同じくTVドラマの『俺たちの勲章』がまったく何一つ取り上げられていなかったのは残念でした。
あれをスクリーンで観られたら、どんなに幸せだったか…(T_T)
自分としてはかなり好きな作品だったので…。
あと、親友だった水谷豊さんと桃井かおりさんがゲストに呼ばれてなかったのは何でかなあ?共演したときの映像を出すなら、インタビューもしてほしかったです。
あの2人が出てきたらもっと盛り上がったのにとか、もし声も掛けられなかったのなら2人ともかなり気を悪くしてるんじゃないかとか、いらぬ心配までしてしまいましたが、あまり細かいことに注文を付け始めたらキリがないのですよね(^^;
でもまあ、最後に優作の歌も聴けたし、全体としては期待していた以上の感動が得られたので、観に行って良かったです。
ただ、内容があくまでも俳優としての松田優作を語るにとどまっていて、生い立ちなど人間としてのプライベートな側面にはほとんど触れていませんでした。
人間としての松田優作を知りたい方には、こちらの本をお薦めします。
前妻の美智子さんが書かれた本です。
しっかりした取材に基づいて書かれていて、俳優として一人の人間として、等身大の松田優作を知るうえで、これ以上の本はないような気がします。
そう思わせてしまうほど充実した内容です。
これはもはや元妻による手記ではなく、完璧なノンフィクション本と言えるでしょう。
それにしても松田優作の前妻さんがこんなに頭の良い方だったとは・・・!
まずそのことに驚きました。
優作のデビュー前から絶頂期までの11年間を最も身近で見つめてきた人が、今では客観的に優作を語っています。
凄い精神力の持ち主ですね。
流石は松田優作の元妻だと思いました。
客観的であるということは、優作の輝かしい面だけでなく、暗い面についての記述もあるということです。
読んでいて辛くなる部分も結構ありました。
特に、癌に侵された優作が、義母(再婚相手の美由紀さんの母)に勧められて新興宗教に傾倒してしまったことなど、あまり知りたくなかったです。
主治医との関係も何か怪しくて、オカルト的な雰囲気がしたという証言もあって、今となってはどうしようもありませんが、私もすごく疑問を感じました。
たとえどんなに手の施しようのない状態だったとしても、もし医者の自己満足のために優作を心理的に支配して利用していたとしたら、それは絶対に許せないことです。
あ、もちろん、そんな暗い話ばかりではありませんよ!
優作が人一倍の努力家で、強靭な精神力の持ち主であったことは紛れもない事実です。
親交の深かった人々へのインタビューも多数記載されていましたが、映画監督の村川透さんの言葉が一番最後の「最終章」に記されていたことに、なにか美智子さんの計らいのようなものを感じました。
優作が一番尊敬し信頼を寄せていた監督は、たぶん村川透さんだったのではないでしょうか?
美智子さんの最も思い入れの深い作品だという、TVドラマ『大都会・闘いの日々』に優作がゲスト出演した第四話『協力者』も、村川透さんの監督によるものでした。
優作が演じたのは重い病に侵されて余命短そうなヤクザの役ですが、役柄を超えて、「これからが俺の出番だ」という意気込みが画面にみなぎっていたそうです。
30年以上も前の作品で、残念ながら私はリアルタイムで観ていないし、その後ビデオ化もDVD化もしていないので、未だに観たことがありません。
いつか観られる機会がありますようにと願っています。
美智子さん同様、私も、タフで野心に満ちていた頃の松田優作が一番魅力的だと思うので…。
「凄みのある硬派な演技には普遍の魅力があるのだ」という、美智子さんの言葉の通り、これからも優作は永遠に輝き続けるのだと思います。
最近のコメント